家電製品の初回ロットは買うな!と言われる理由に驚愕した

マーケティング

「なんでZ社って、試作品みたいなレベルでも平気で<新製品発売!ギョーカイ初!>って売り出すわけ?しかもそのレベルでも、お値段5万ぐらいするやん?詐欺やなー、えげつないわー、とか思わんの?」

不良率の高い製品を出すことで知られる「メーカーZ」勤務の知り合いAに、こんなシッツレイな質問を投げかけてみた。

いきなりこんな核心に迫ったのは、知り合いBが最近買ったZ社製品が、買って2ヶ月で壊れた話を聞いたからだ。

BはZ社のファンで、買って1週間で画面半分が灰色になったTVとか、買って3ヶ月で録画できなくなったHDDレコーダーとか、とにかくアカンものをよく引き当てる。けど、Z社製品でそれだけ初期不良を引き当てながらも、「ええねん、このロゴが私のステータスやねん」と言って、BはZ社製品をずっと買い続けてる。

本人が納得して買ってるんなら他人がとやかく言うことじゃないけど、ワタシやったらそんなに壊れまくるZ製品なんかまず買わん。

10機種ぐらい色々買って、そのうちの1つがたまたま壊れるんなら「アタリが悪かったんやな~」と思える。でも、アレもコレもソレも買ってすぐに壊れてたら、「なんやねん、Z社。やる気あるんか!」とイラつくこと間違いなし。

サポートもめっちゃエラそうやし。

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新卒以来「Z」に勤めてるAは、ワタシのかなり失礼な質問に怒ることもなく、苦笑しながら教えてくれた。

  • 工業製品は、それなりに初期不良が発生する。これは不可避
  • 設計さんは生産ラインにのるギリギリまで試行錯誤を続けていいものにしようとしてる
  • 生産ラインにのった後、やっぱり「なんかうまくいけへんで?」となることがあって、そうなると設計さんは生産ラインを動かしたまま、また試行錯誤を繰り返す(この間、「なんかうまくいけへんで?」な状態で生産継続)
  • 試行錯誤の結果、一番最初に生産始めた時よりエエものが出来たら、次の生産分からそれを反映する
  • 結果、初期出荷分(ファーストロット)と、その後のロットは全然違うものになってしまうことがある(素材レベルで変身することも珍しくない)
  • せやから、初期出荷分はな、まぁ…賭けやったりするんよ、博打みたいなもん?

博打なんかい・・・(汗)

だがしかし。Aのこの説明で、ワタシはいまいち納得できん。

なぁ、なんで最初からマトモなもんを作ろうと思わんのよ。生産始めてからやっと素材がアカンことが分かるって、それ、設計がおかしいんちゃうの?この素材使ったらこうなるとか、散々今までにアレコレ作って売ってきてんのに、なんでそんなことが分からんの?

「それはなぁ…素材も要求もどんどん進化するやろ?もっと軽くしなアカンとか、前のモデルは欠けやすかったから今度はもうちょっと丈夫にしなアカンとか、素材価格は高騰してるけど製品の値段はそんなに上げられへんから削れる所とにかく削るとか。今度、従来のよりもめっちゃ耐久性がある新素材が出たから使ってみよか~って使うことにして、テストの時は大丈夫やったけど、生産ラインに載せたら想定外のところで問題が出たとか、大量に調達した素材が数ヶ月前に比べたら品質ちょっと変わってたとか、色々あるわけよ」

なんやねん、それ。不可抗力って言うにはなんか…

言い訳がましいで

「もちろん、俺らかってイイモノ作りたいねんで?理想は、世に出る時点で完璧に出来上がってる事。せやけど、納期の問題もあるし、出来上がってきて初めて分かることとか、もう出来上がったものを見ておエライさんが『なんやねん、これ。もうちょっとカッコよぉならんのかー』って言い出すこともあるしな。最初から完璧な製品出すのはちょっとムリ」

出た、テキトーに確認しといて、あとからグダグダ言う迷惑なエラい人。おるんやねぇ、大企業にも。あ、ちゃうわ。大企業やから、おるんか。

でも、完成度低いままで売りに出すことを決定する、売りに出してOKと判断できるその思考回路は理解不能。

「ほんまにヤバい製品になってしまったら、なんとか気持ちだけでももうちょいマシなものにしようって、ほんまにギリギリまで調整してはる設計さんとかもいてんねんで?」

はぁ…

ギリギリまで調整して発売した製品が「なんやねん、これ!」なレベルなわけ?「頑張ってます~、頑張って作ってます~」とか言うても出来上がったものがあほあほレベルでどうすんの?

「そういう場合は、『ファーストロットはゴメンやで。アタリ悪かったら勘弁したってな。せやけど、セカンドロットからは、めっちゃ改良したから大丈夫や!セカンドからは別もんやから!これ、めっちゃイイモノやねん!』って、思ってる」

おい。勘弁したってで済んだら警察いらんやろ。

高いお金出して買った人に、「製品イマイチやけど、俺ら頑張ったから。頑張って作ったから~」が通用するん?そこはZ社の【ブランド力】で押し通すの?「壊れやすいの分かってて買ったんやろ?自己責任なw」ってこと?

ありえへんわ…

とりあえず、Z社を愛してるZ社社員Bの言い分をまとめると、

  • エエもん作りたい!と思ってるねん
  • 作り始めた製品が実はアカン出来やったかどうかは、出来てみな分からん時がある
  • エエもん出すために設計さんもギリギリまで試行錯誤して、ベストに近づけようと努力してはる
  • 前のモデルよりもっとスゴいもの出すために、俺らめっちゃ頑張ってる
  • とりあえず、ファーストロットは期待すんな。ファーストロット買うやつは、人柱やって分かって買ってるはず
  • 不良品引いてしまったら、それはそれ。おめでとー!やな。全部不良品ちゃうねんもん。引き強いな~って思って

「一か八か。アカンかったら武勇伝にしたらええねん。俺こんなん引いたで~って」

「あ、ナカの人間の俺がバクチとか武勇伝とか言ぅたら怒られるからな、ネタにすんねやったら匿名にしてな」

めっちゃメモ取ってる私に不安を覚えたんか、Aは最後に小さな声でそう付け足した。

ん。大丈夫。君が言ったって分かるようには書けへんよ~~

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とは言ったものの。

何がエエもん作りたいと思ってる、やねん。頑張ってるから許したって?やと?

高い金取るんやったら、そのお値段に見合うもん作って売りぃや!

普通はな、完成品をもって評価されるねん。頑張った姿勢と気持ちで評価されへんねん。

不良品引いたらアタリやとか、そんな風に喜べるんはマニアだけやんか。お小遣いとかバイト代貯めて買った人とか、めっちゃ欲しくて欲しくて節約して買った人とか、そういう人らが試作品レベルを手にしたら、喜ぶ余裕はないんちゃう?

あれだけ欲しいと思ったこのモデルが、こんなゴミみたいなもんやったなんて…もうええわ。ゴミしか作られへんZ社最悪や。

とか思うかもしらんやん。

それでもええんやろうけどね、Z社の人らは。

ま、あれやな。私、今後もZ社製品買う気になれへんな。

ちょっとはマトモなもの、作ってみろ!

って叫びたい。

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